その昔、我が家の近所には、バスチーユ牢獄というものがありまして、ほんの目と鼻の先です。
というか、バスチーユ(bastille)の意味がそもそも牢獄なんです。ので「バスチーユ牢獄」という表現は、「ベースボール野球」のようにナンセンスです。
“La Bastille” と記すと、
民主化のシンボルとして、いくつもの近代フランス史の舞台となってきた、現代のバスチーユ広場を意味します。
1789年7月14日に、バスチーユが襲撃され、フランス革命から民主化が始まるころは、この界隈の地下は広くつながっていたそうです。
牢獄が解体された後は、その石材が地下などに保管されていて、革命後のパリの美しい建築物に再利用されていくリサイクルポイントでもありました。
現在はそれぞれの建物に地下室が割り当てられ、我が家にも、立派に古臭いカーヴがあります。
壁の朽ちた感じも、しっとりした空気も、元牢獄の雰囲気ばっちりです。何かいる感じします。
この数週間、ようやく、この埃と土垢を洗い流し、カーヴ用のペンキを塗り始めました。
美味しいワインとおつまみをストックして、ご婦人をこの元牢獄にご招待するには、もう少し地下労働が必要です。