Why she dances sharply - Takeopiv

Why she dances sharply

木綿子(もめんこ)がキレキレダンスな理由

この女の子は”木綿子”(もめんこ)というオーガニックコットンのふわふわが入っているキーホルダーのキャラクターです。
広島で天然素材を使った優しい肌着、インナーウエアなどを作られているマアルさんの10周年記念の商品の一つ。
#木綿子

このお祝い企画に3本のアニメーションを作らせていただいていますが、この木綿子ちゃんの「蝶々と女の子篇」が2作目です。
1作目の「魚キッス篇」はこちら、https://youtu.be/UbIIwE7Gu7E

原点回帰 Limited Animation

この3本の企画を考えるにあたって、もう一度、ピヴォの原点回帰に頭を巡らせて、「一体、アニメーションの何が面白かったのか?」について考えて、
クライアントの仕事であるのだが、勝手に「弊社の考え」を盛り込ませていただきました。

その中の一つがリミテッド・アニメーション。

Limited = 「限られた」 「有限の」 はたまた、「貧しい」ということで、貧しいアニメーションか?!
反対語は、リッチ・アニメーションではなく、フル・アニメーション。

映画では、1秒間に24フレーム、テレビだと1秒間に30フレームの画像が、連続再生されて動画=キャラクターに命が吹き込まれて動き出します。

この1秒間に24枚もの絵をフルに描くリッチなアニメーションがフルアニメーションと呼ばれています。
例えば、ディズニーアニメーションスタジオが作っていた映画の「白雪姫」とか、「わんわん物語」とか、「ピノキオ」 今観てもリッチすぎて、動きがねっとり、背景がしっとりと、ある意味手に汗握ります。
その傍ら、製作費が低く、毎週放映があるために、スケジュールが厳しいテレビのシリーズアニメーションを作っていたのがワーナーブラザーズ。
「もう、間に合わないし、そんなに一杯描けないよ!」というキレキレな制作環境から生まれたのが、そのまんまリ「ミテッド・アニメーション」。
1秒間になるべく少ない動画枚数で、全身は静止画で、口だけが動いているとか、そんな感じ。
語源は、そのワーナーブラザーズのテレビシリーズ、「ドーバーボーイ(The Dover Boys)」だそうです。
子供たちは、そういうものでも楽しく観てたりするんですよね。

日本の鉄腕アトム以降の戦後アニメと呼ばれる制作舞台裏も、同じく厳しかったようです。
「そんなたくさん描けないよ~」と言いながらも、動く瞬間はめちゃめちゃ動いて、止まるところは果てしなく、しかも格好よくポーズをしながら止まって、という詫びと寂びもりこんだスタイルを確立しました。
ジャパニメーションの美意識の原点は、リミテッドな環境をを超えようとした先代の智慧にあるように思います。

ストップモーションアニメーション Stop Motion Animation

幼いときには、日本の優れたリミテッド・アニメーションを見ていたはずですが、ボケ~と観ていたので、「ジャパニメーションの美意識」とまでは感じてませんでした。
超合金のゲッターロボを手に、ただひたすらにボケ~。

職業意識として、初めて面白いと思ったのは、二次元のアニメーションではなくて、立体物をコマ撮りしたような、ストップモーションアニメーション。
このカクカクしたような動きや、実際に動かないものが動いている感覚が好きでした。
※詳しくは、僕の履歴書をチェック https://takeopiv.com/cv/

秒何コマ?

話は、そんな先代の美意識までいかないのですが、カクカクした動きを作るベースとして、1秒間に何枚描くかを考える。

通常1秒30コマのところ、15コマとか。
15コマって、ドラえもんとか、そうじゃない? シリーズアニメの定番コマ数?!
それにしても、動いてないアニメ多いですねw

今回はなんと「秒6コマ」
「5枚の同じ静止画が6回連続して、1秒の動画」になります。

以前作った熊のアニメ、Wild Bites(3部作の最後のパート) https://vimeo.com/905334
が 1秒間8コマでした。

そんなビートじゃ踊れない!

木綿子(もめんこ)の原画を見る限り、あまり俊敏な踊りはしないはずですから、ちょっとお尻を左右にぷりぷりして喜びの表現をしようと考えていました。
カスタネットの「打って、打って、休んで、休んで」くらいのノリです。

ごくごく簡単に、左左、右右、の振付けなのですが、なんと、「秒6コマ」と、音楽のBPM(拍数)がシンクロしません。

5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 だと、アニメが失敗しているとしか見えない~!

頭が固いので、このフレームレートからはみ出ることができない自分。

苦肉の策で、お尻を左から右へ移動する絵を2コマにして、左(移動)右(移動)左(移動)右(移動)を

5 5 5 5 (2) 5 5 5 5 (2) 5 5 5 5 (2) 5 5 5 5 (2)

というダンスパターンにしてみたところ、お尻がキュッ!キュッ!というふうなキレキレダンスになりました。

上手いリミテッダー(新語)だったら、

20 (1 1) 20 (1 1) 20 (1 1) 20 (1 1)

くらいに緩急つるかも?!

カクカクのキレキレですが。

もう一つの原点回帰 「蝶々」

ブラジャーが蝶々のようにひらひらと空を飛んでくるなんて、男の夢ですね。

僕が東京で仕事をしていた、まだまだ勢いのあったテレビコマーシャルの現場で、蝶々のアイデアとか出してたら、一発アウトだったかもしれません。
「強いもの」「インパクトのあるもの」を作っていかなくてはいけない使命感とかプレッシャーがあったのを想い出します。

パリに来てから、ピヴォを作って、毛虫が生まれて、蝶々になるまでの話を1本のミュージッククリップにしました。
女性デュオの割とかっこいい曲で、主人公が「毛虫」。
最後は蝶々だけれど。

東京に居たときは、「男が花なんて描いてちゃダメだ」と思っていたけれど、パリに来てから自分らしいデザインができたな~と思う1つです。

A LIFE TRIP – B@by Soul

この「ブラジャーが蝶々のようにひらひらと空を飛んでくる」というのは、このA LIFE TRIPのオマージュです ^_^

最後に、第二弾「蝶々と女の子」篇をどうぞ!

#原点 #アニメーション

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[…] 前回のブログ「木綿子(もめんこ)がキレキレダンスな理由」でも書いたように、今回の仕事は自分の原点回帰として、自分のアニメーションへの興味にこだわりにこだわりぬいた、燃え尽きた3本です。 まだまだ下手ですが、がんばりますパイセンのみなさん! […]

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