読書タイム - The Remains of the Day - Takeopiv

読書タイム – The Remains of the Day


家から歩いて20分くらい、川を渡った反対側に広がる植物園の芝生で久しぶりにピクニック。
夏の終わりで、木々の手入れが行き届いていないのでしょう、成長しすぎていてジャングルのような佇まいになっていました。

動物園が併設されていて、子供がまだ小さく、ベビーカーに乗っていた頃によくやってきました。川の反対側に住んでいたのも理由の一つでしょう。
動物園は有料なのですが、植物園からも少し覗き見れるので、そこで見れる動物しか見たことがない。レッサーパンダとか、、、でも、それでも充分楽しかった。

最近、我が家で流行らせたものに、夕食後の10分間の「読書タイム」があります。
実際は、みんな読みふけってしまって30分くらいは読書をしている。
夏休みなのに、ほとんど本など読まなかった娘さんに読書の習慣を付けて欲しいという願いから始めましたが、今のところ上手く行っています。

奥さんは、「あずかりやさん」(大山淳子 著)、娘さんは、僕が新大阪駅で衝動買いした「世界でいちばん透きとおった物語」(杉井光 著) を読んでいます。

僕は、もう、15年以上前にお世話になったクライアントの女性から、「これくらいの英語の本を読めた方がいいですよ」と言われて頂いた、イギリスの作家 カズオ・イシグロさんの「The Remains of the Day」の日本語翻訳版を読んでいます。
※彼女は青山学院大学 文学部 英米文学科のご卒業
日本語翻訳版は、土屋政雄さんの翻訳で「日の名残り」。
この翻訳された日本語も美しいです。
本作は、1989年の執筆で、ブッカー賞を受賞しています。

イギリスの大きなお屋敷で執事を務める男性スティーブンスが主人公。
主人の勧めで1週間ほどの休みを取り、イギリスの田舎町をドライブしながら、自分の人生をゆっくりと振り返ります。
常にテーマとなるのは「品格」
品格のある執事とは?人間とは?人生とは?

この本をくださった女性とは、約10年間くらい、彼女の運営する協会やギャラリーなどのデザインをさせていただいておりました。
仕事についてあれこれと細かいことは言われずに、ただ「品のあるもの」を作るように言われ、本当に色々なことを学ばせてもらいました。

今日、この芝生の上で読み終えました。
1週間の旅行で辿り着いた「品格」の結論。「ユーモアというものが必要なのではないか?」となり、これから屋敷に帰って、ユーモアの勉強をするというのが最後の行です。
とてもいい本です。

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